
FXでは先進国通貨から新興国通貨まで様々な通貨を取引きできます。取扱い通貨ペアが多い会社で50通貨ペア、少ない会社でも20通貨ペア前後取引きができ、先進国通貨はどのFX会社でも取引き可能ですが、新興国通貨などのマイナー通貨はFX会社でしか取扱いがない場合があります。
FXの通貨ペアの選び方は、為替差益を狙う短期トレードか、スワップ益を目的とした中長期トレードなのかによって異なってきます。各通貨の特徴を理解した上で、自身のトレードスタイルにマッチした通貨ペアを選ぶことをおすすめします。
更新日時:
外国為替市場で、頻繁に売買されている通貨をメジャーカレンシー(主要通貨)と呼び、米ドル・日本円・ユーロ・英ポンド・スイスフランの5通貨を指し、メジャーカレンシー以外の全ての通貨をマイナーカレンシーと呼びます。※メジャーカレンシーは、5通貨に加え一定の流通・取引量がある豪ドル・カナダドルもメジャーカレンシーに含む場合もあります。
2019年日本国内店頭FXの年間取引額は約3,439兆円、その内米ドル/円のは約1,971兆円を占め、取引きの約6割弱が米ドル/円の取引きとなります。国内では馴染みある日本円が絡むクロス円の取引きが目立ちます。
豪ドル・カナダドルを含めたハードカレンシーの内、国内店頭FX市場ではカナダドル・スイスフランの取引量は少なく、あまり人気のない通貨となっています。またNZ(ニュージーランド)ドルは世界的に見るとマイナーカレンシーの部類ですが、国内のFXでは高金利通貨として人気で一定の地位を確立しています。
マイナーカレンシーの中でも新興国通貨、特にFXで取引きできる高金利国の通貨である南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソは年々取引量が増え人気が上昇している通貨です。人気の背景には、通貨が安く少ない資金で投資ができ、またスワップポイントと呼ばれる金利が異なる二国間の通貨を取引きすることで得られる金利差調整金が多く受取れることにあります。
» 解説:スワップポイントとは
FXでは最大25倍のレバレッジをかけて取引きすることができ、用意した資金の最大25倍の規模のポジションを保有することができます。
高金利の新興国通貨が人気の理由は、通貨の価値が低く、少ない資金で多くのポジションを保有できスワップポイントが多く貰えることにあります。しかし、新興国通貨は先進国通貨に比べ、政治事情が悪いことや、通貨の流通量が少ないため値動きが荒い傾向があり、FX初心者が安易にスワップポイント目的で取引きすると為替レートが急変した時に大損するこがあるので、リスクを理解した上で取引きを行って下さい。
FXの基本は二国間の通貨を売買し、レート変動による差益をあげることです。短期トレード(スキャルピングやデイトレード)の場合は、スプレッドが狭く、ある程度1日の変動幅がある通貨ペアがおすすめです。
2019年1日の変動幅・変動率では、英ポンド/円が1日で5.16円も動く日があり、1日平均1.25円で先進国通貨の中では最も値動きが激しい通貨ペアでなっています。(※2019年1月3日に相場が瞬間的に急落するフラッシュクラッシュが発生したことにより、多くの通貨ペアでその年の1日の最大変動幅を記録しました)
一方新興国通貨の南アフリカランド・トルコリラ・メキシコペソの変動幅は一見小さく見えますが、通貨が安いため変動率が高い傾向にあります。米ドル円のレート100円から5円下がるのと、南アフリカランド円のレート9円から5円下がった場合、同じ変動幅5円でも変動率は全く異なります。
FX初心者であればスプレッドが狭く、ある程度1日の変動幅のある米ドル/円の取引きが最も無難です。
2019年 変動幅・変動率 |
最大変動幅 | 最大変動率 | 最小変動幅 | 最小変動率 | 平均変動幅 | 平均変動率 |
---|---|---|---|---|---|---|
![]() 米ドル/円 |
3.79円 | 3.48% | 0.08円 | 0.08% | 0.58円 | 0.53% |
![]() ユーロ/円 |
4.32円 | 3.50% | 0.18円 | 0.15% | 0.74円 | 0.61% |
![]() ユーロ/米ドル |
172pips | 1.50% | 8pips | 0.07% | 55pips | 0.49% |
![]() 英ポンド/円 |
5.16円 | 3.76% | 0.25円 | 0.18% | 1.25円 | 0.90% |
![]() 豪ドル/円 |
5.42円 | 7.12% | 0.09円 | 0.12% | 0.64円 | 0.85% |
![]() NZドル/円 |
2.91円 | 4.02% | 0.17円 | 0.23% | 0.60円 | 0.84% |
![]() 南アフリカランド/円 |
0.34円 | 4.56% | 0.02円 | 0.29% | 0.11円 | 1.45% |
![]() メキシコペソ/円 |
0.24円 | 4.26% | 0.01円 | 0.09% | 0.05円 | 0.97% |
![]() トルコリラ/円 |
2.37円 | 13.20% | 0.03円 | 0.16% | 0.25円 | 1.33% |
中長期トレードを視野に入れる場合は、スワップ益も含めた長期資産形成となるため、高金利で且つレートが安定している通貨を主体とした取引きがおすすめです。しかし、南アフリカランド・メキシコペソ・トルコリラなどの高金利通貨は2020年は軒並み史上最安値を更新しており、FX初心者には難易度が高い通貨でもあります。
最大レバレッジ25倍で取引きできるFXは、時価の約4%(25分の1)の資金で投資を始めることができます。新興国通貨である南アフリカランド・メキシコペソ・トルコリラは、先進国通貨に対してレートが安いため、少ない証拠金(資金)で取引きができ、取引に必要な証拠金に対するスワップポイントの効率がいい通貨です。
【各通貨ペア1万通貨ロングポジション時のスワップ効率】
通貨ペア | 為替レート 2020年11月末 |
必要証拠金 10,000通貨 |
スワップ最高値/日 | 証拠金に対する スワップ比率 |
---|---|---|---|---|
![]() 米ドル/円 |
104.20円 | 41,680円 | 7.73円 | 0.02% |
![]() 豪ドル/円 |
76.54円 | 30,616円 | 2.73円 | 0.01% |
![]() NZドル/円 |
73.09円 | 29,236円 | 5.70円 | 0.02% |
![]() 南アフリカランド/円 |
6.72円 | 2,688円 | 6.50円 | 0.24% |
![]() メキシコペソ/円 |
5.16円 | 2,064円 | 6.00円 | 0.29% |
![]() トルコリラ/円 |
13.30円 | 5,320円 | 23.53円 | 0.44% |
為替レートは2020年11月末日の終値、スワップポイントは2020年11月1日〜11月30日の平均付与額/日が最も高いFX会社の数値。
» 参考:FX会社別スワップポイント比較
1年後の為替レートの予想は誰も予想はできませんが、1年後にどれくらいスワップポイントが貯まるかはある程度計算することができます。例え1年後保有する通貨の価値が下がって含み損が出た場合でも、それまで得たスワップポイントで含み損を解消できる場合があるため、スワップポイントが目的のトレーダーは長期保有を前提にトレードすることが多いです。しかし新興国通貨の場合、長期的に見ると安値を切下げ下落を続けています。そのため、スワップポイントの高さから安易に新興国通貨を保有すると、万年含み損状態で決済できない状態になりかねません。
» 参考:通貨ペア別為替レート推移
FXの基本は「安値で買って、高値で売る」「高値で売って、安値で買い戻す」です。先進国通貨の為替レートは上下動を繰り返しているのに対し、高金利通貨下落し続けており、いつ底値なのか判断がつかない取扱いが難しい通貨です。南アフリカランド/円、メキシコペソ/円、トルコリラ/円は2020年に史上最安値を更新しています。FX初心者ほどスワップポイントに魅力感じ、高金利通貨に手を出すことが多い傾向がありますが、長期レートを見る限り、初心者は手を出さないほうが無難な通貨です。
FX初心者であればFXの王道通貨である米ドル/円、1日の値幅が大きい通貨ペアを選ぶのであれば英ポンド/円がおすすめです。
FX初心者におすすめのFX会社は、DMM.com証券、GMOクリック証券、外為どっとコムの3社です。人気・会社信頼性・取引条件いずれも業界トップクラス、初心者でも安心して取引きができるFX会社です。
FX初心者が口座選びに迷ったら
» 現役トレーダー647人が選ぶFX会社人気ランキング2021年版
» 初心者におすすめのFX口座5選|業界大手から注目FX会社を厳選
FX口座数日本一のDMM.com証券は、FX業界で初めて75万口座を突破※し、初心者から上級者まで幅広いトレーダーに支持される人気第1位のFX会社です。取扱い全通貨ペア業界最狭水準のスプレッドと、操作性を追求したスマホアプリが提供され、積極的に売買したいトレーダーに最適のFX会社です。
また平日24時間サポートで安心して取引きができるFX初心者おすすめ会社です。
解説ページ » DMM.com証券の評判とおすすめポイント解説
取引コストの安さと操作性抜群の取引ツールを武器に2019年年間取引高国内1位を達成し、2012年以来8年連続国内1位※を記録。2015年オリコン顧客満足度ランキング「ネット証券部門」では総合第1位を獲得し、現在最も勢いのあるFX会社。
※ファイナンス・マグネイト社調べ(2012年1月~2019年12月)
特集ページ » 取引高国内1位 GMOクリック証券の実力
解説ページ » GMOクリック証券の評判とおすすめポイント解説
外為どっとコムはFX取引ツールの使いやすさ・情報量の多さ・システム安定性・サポート体制に定評があり、初心者でも安心して取引きができます。加えてスプレッドは取扱い全通貨ペア業界最狭水準。老舗ならではの安定感・安心感もあり未だ人気の衰えないFX会社です。
解説ページ » 外為どっとコムの評判とおすすめポイント解説